西田酒造店 ー 青森の風土と共に歩む純米酒の名蔵

酒蔵の魅力と実績

歴史と立地の特徴

明治11年(1878年)創業の西田酒造店は、青森市油川地区に位置し、陸奥湾に面した港町としての歴史を背景に持つ。寒冷な気候と豊かな水資源に恵まれたこの地で、風土を映す酒造りを継承してきた。

酒造りへのこだわり

昭和45年、四代目蔵元・西田六左衛門氏が「本物の酒造り」を掲げて純米酒への挑戦を開始。昭和49年に「田酒」を発売して以降、醸造アルコール無添加、活性炭無使用、全商品一回火入れ・瓶貯蔵を実施するなど、品質へのこだわりは徹底している。

プレミアム日本酒の展開

田酒 純米吟醸 百四拾

  • テイスティングコメント:華やかな香り、まろやかな甘味ときめ細やかな酸味。短めの余韻が心地よい。
  • ペアリング:青森県産ホタテのカルパッチョ。甘味と酸味がホタテの旨味と絶妙に調和。

田酒 純米吟醸 干支ラベル卯

  • テイスティングコメント:リンゴ様の香り、ふくよかな甘味と滑らかな酸、やや辛口のバランス。
  • ペアリング:青森県産リンゴを使ったポークソテー。フルーティーな香りが料理と相乗。

善知鳥(うとう)

  • テイスティングコメント:上品な吟醸香と柔らかな口当たり、すっきりとした後味。
  • ペアリング:青森県産比内地鶏の炭火焼き。旨味と香ばしさが酒と好相性。

レギュラー日本酒の展開

田酒 特別純米酒

  • テイスティングコメント:米の旨味を感じるバランス型。余韻はさらりと清澄。
  • ペアリング:青森県産長芋のとろろご飯。酒の旨味と長芋の粘りが調和。

喜久泉 吟冠

  • テイスティングコメント:淡麗で軽快な飲み口。すっきりとした後味。
  • ペアリング:青森県産サバの味噌煮。濃厚な旨味と清涼な酒質の対比が楽しい。

外ヶ濱 澄熟吟醸

  • テイスティングコメント:綺麗な酒質、心地よい甘さと酸味のバランス。
  • ペアリング:青森県産ヒラメの昆布締め。酸味と旨味が融合。

田酒 特別純米 山廃仕込

  • テイスティングコメント:山廃特有の複雑な香りとコク。酸と旨味が深い余韻を形成。
  • ペアリング:青森県産黒にんにく使用の牛ステーキ。濃厚でリッチなペアリング。

北海道産または地域産原料を活かした酒造り

使用酒米と味の傾向

青森県産「華吹雪」「華想い」「古城錦」などを採用。雑味少なく、繊細でクリアな味わいを実現。

仕込み水・酵母の特徴

八甲田山系伏流水(中硬水)を使用。酵母は自社培養や県開発酵母により、フルーティーな香りを演出。

地元との連携

契約栽培農家と連携し、蔵人自らが田植え・収穫に参加。地元高校との酒造授業連携も。

地元との連携・イベント事例

  • 料亭「安田屋」とのペアリングディナー:11月下旬。白子やあん肝とのコース。
  • あおもり日本酒フェスティバル:毎年3月。アスパムにて限定酒試飲販売。
  • 田酒祭り(蔵開き):年1回。限定酒販売・見学会・フード出店など。

酒蔵の風景と訪問情報

  • 見学:原則非公開(田酒祭り時のみ例外)
  • 直売所:なし(青森市内の取扱店あり)
  • 見どころ:木造蔵と赤レンガ煙突、陸奥湾に面した景観、冬の雪化粧が美しい
  • 住所:〒038-0001 青森県青森市新城字平岡404
  • アクセス
    • JR新青森駅よりタクシー約10分
    • 青森中央ICより車約15分
    • 青森空港より車約30分

まとめ

「田酒」に象徴されるように、西田酒造店は米の旨味と純米造りに対する徹底した姿勢を貫いてきた酒蔵である。青森の風土と食を活かした独自の提案は、国内外の酒ファンに新たな価値を届け続けている。今後も、地元との連携や革新的なペアリングの試みに期待したい。