大七酒造(福島県二本松市)

酒蔵の魅力と実績

歴史と立地の特徴

創業1752年(宝暦2年)、福島県二本松市に蔵を構える大七酒造は、江戸時代から続く歴史ある酒蔵です。日本酒の伝統を守りながらも、革新を続ける姿勢で国内外から高い評価を受けています。蔵が位置する二本松は、阿武隈山系の豊かな自然と清らかな伏流水に恵まれ、酒造りに理想的な環境です。

独自の酒造りへのこだわり

大七酒造は、特に「生もと造り」において国内トップクラスの技術を誇ります。伝統的な生もと製法を現代に甦らせ、最新の温度管理設備と組み合わせることで、深みとキレを兼ね備えた酒質を実現。また、超扁平精米技術を独自開発し、米の中心部を的確に抽出することで、雑味のない美しい味わいを追求しています。


プレミアム日本酒の展開と受賞歴

1. 大七 純米大吟醸「箕輪門」

  • テイスティングコメント:上品な吟醸香とふくよかな旨味。口当たりはなめらかで、後味にキレがあり、和食との相性が抜群。
  • ペアリング提案:地元・会津産の馬肉のユッケや、福島牛の炙り寿司など、旨味と甘味を引き立てる料理との相性が特に良好。
  • 受賞歴:IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)SAKE部門 金賞、全米日本酒歓評会金賞

2. 大七 生もと 純米大吟醸「皆伝」

  • テイスティングコメント:熟した果実のような複雑な香り、旨味と酸味の絶妙なバランス。時間と共に広がる深い余韻。
  • ペアリング提案:郡山産のエゴマ豚のグリルに山椒味噌ソース。脂と旨味を引き締め、香りの層が重なる。
  • 受賞歴:モンドセレクション最高金賞、Kura Master プラチナ賞

3. 大七 超特撰「生もと 純米大吟醸」

  • テイスティングコメント:エレガントで洗練された印象。心地よい酸味と、ふくよかで丸みのある味わいが特徴。
  • ペアリング提案:福島の郷土料理「こづゆ」や、会津地鶏の酒蒸し。和の出汁とのハーモニーが際立つ。
  • 受賞歴:全日本日本酒歓評会 大賞

レギュラー日本酒の展開と受賞歴

1. 大七 純米生もと

  • 米の旨味と酸が調和。日常の食事を豊かにする一本。
  • 受賞歴:SAKE COMPETITION 銀賞

2. 大七 生もと梅酒

  • 日本酒ベースで漬けた爽やかな梅酒。甘すぎず、食中酒としても人気。
  • 受賞歴:全国梅酒品評会 金賞

3. 大七 からくち生もと

  • キリっとした辛口ながら、深みのある味わい。
  • ペアリング:川俣シャモの焼き鳥など、ジューシーな料理と好相性。

4. 大七 クラシック生もと

  • 酸がしっかりと効いたクラシカルな一本。熱燗もおすすめ。
  • 受賞歴:燗酒コンテスト 金賞

5. 大七 純米にごり

  • 濃厚でクリーミーなにごり酒。寒い時期の鍋料理とベストマッチ。
  • ペアリング:福島の郷土鍋「いかにんじん鍋」など。

地域産原料を活かした酒造り

  • 使用米:福島県産「五百万石」「美山錦」「夢の香」などを中心に使用。
  • 味の傾向:酸と旨味をしっかりと感じるバランス型。熟成によるコクも評価が高い。
  • 仕込み水:安達太良山の伏流水(軟水)。まろやかで透明感ある口当たりを生む。
  • 酵母:自社酵母および協会酵母を併用し、複層的な香味を実現。
  • 地域連携:地元農家と契約栽培を行い、「福島の米で福島の酒を」という理念を徹底。

地元との連携・イベント事例

  • 「生もとの酒を楽しむ会」(毎年秋、福島市・郡山市で開催):蔵人による解説と特別酒の試飲が可能。
  • 「福島・美食と酒の宴」(年1回、東京):福島食材とのマリアージュを体験できる限定イベント。
  • 飲食店とのコラボ:福島県内の老舗割烹や宿泊施設と提携したオリジナル酒の開発。

酒蔵の風景と訪問情報

  • 見学:事前予約制で蔵見学可能(平日午前のみ)。試飲・解説付きのコースあり。
  • 直売所:併設された直売コーナーで限定酒やギフト商品を購入可能。
  • 見どころ:歴史的な蔵の建築、伝統的な酒槽、巨大な扁平精米機など。

アクセス

  • 住所:〒964-0902 福島県二本松市竹田1-66
  • 最寄駅:JR東北本線「二本松駅」より車で5分/徒歩20分
  • :東北自動車道「二本松IC」から約10分
  • 最寄空港:福島空港から車で約1時間

まとめ

大七酒造は、日本酒の原点とも言える「生もと造り」の美学を現代に継承する希少な存在です。超扁平精米技術や、長期熟成による味わいの深化など、革新と伝統を見事に融合させた蔵として国内外から高く評価されています。地域食材との創造的なペアリング提案や、地元との連携イベントも積極的に展開しており、福島の酒文化を牽引するリーダー的存在といえるでしょう。