西野金陵 〜讃岐の歴史を背負い、未来へ醸す老舗酒蔵〜

酒蔵の魅力と実績

金陵(きんりょう)は香川県琴平町、象頭山のふもと、讃岐の地に根ざした由緒ある酒蔵。銘酒「金陵」を手がける西野金陵株式会社は、江戸時代中期に始まり、香川県で最も古い酒蔵の一つです。歴史ある建物や金陵の酒造りを伝える博物館も併設されており、観光客にも人気の高い蔵です。

また、瀬戸内の穏やかな気候と讃岐平野の水に恵まれた立地は、酒造りにとって理想的。近年ではプレミアムラインの開発にも注力し、全国新酒鑑評会などでも入賞歴があります。

酒蔵の歴史、立地の特徴

創業は江戸時代中期の1753年。初代・西野善右衛門によって始まり、以来270年以上にわたって香川の地酒文化を支えてきました。現在の酒蔵は金刀比羅宮の参道沿いにあり、琴平の門前町文化と深く結びついています。

金陵の仕込み水は、金刀比羅宮の御神水「御神水(ごしんすい)」としても知られる伏流水を使用。酒質にやわらかさと優美な味わいをもたらしています。

独自の酒造りへのこだわり

蔵は伝統を大切にしながらも、最新の設備と衛生管理を導入。特に精米や低温発酵の技術は高度に整備されており、「伝統 × 革新」のスタイルで造りを続けています。また、杜氏と若手蔵人の世代融合も積極的に行われており、次代を見据えた日本酒づくりを推進しています。


プレミアム日本酒の展開(受賞歴あり)

金陵 純米大吟醸 環(たまき)

  • 香り・味わい:白桃やメロンを思わせる上品な吟醸香。口に含むと清涼感ある柔らかさが広がり、後味にはほのかな米の旨みが残る。
  • ペアリング:瀬戸内産オリーブハマチのカルパッチョ、または香川の郷土料理「しょうゆ豆」との相性も抜群。
  • 受賞歴:全国新酒鑑評会 金賞受賞(複数年)

金陵 無濾過純米原酒 結(ゆい)

  • 香り・味わい:ほんのり乳酸系の香りと米の豊かな旨みが特徴。アルコール度数やや高めでボディあり。余韻は心地よく、飲みごたえがある。
  • ペアリング:讃岐コーチンの塩焼きや、香川県産の白味噌を使った野菜田楽。
  • 受賞歴:インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)銀賞

金陵 純米吟醸 冴(さえ)

  • 香り・味わい:梨やライチを思わせる香りに、軽やかでキレのある口当たり。爽快な飲み心地。
  • ペアリング:瀬戸内レモンを添えた太刀魚のフリット、または香川産アスパラのグリル。

レギュラー日本酒の展開(受賞歴含む)

  • 金陵 本醸造(香川の晩酌定番酒、やや辛口)
  • 金陵 純米酒(地元料理に合うバランス系)
  • 金陵 生貯蔵酒(フレッシュで軽快、季節限定)
  • 金陵 にごり酒(やや甘口、冬季限定)
  • 金陵 梅酒(酒蔵仕込みの梅酒)

香川県産原料を活かした酒造り

使用している酒米と味の傾向

  • 香川県オリジナル品種「おいでまい」や「さぬきよいまい」を中心に使用。
  • 軽やかでやさしい口当たり、旨みはやや控えめながらキレ重視。

仕込み水・酵母などの特徴

  • 金刀比羅宮の伏流水を仕込み水として使用。
  • 酵母は自社で管理される吟醸系酵母を中心に、酒質に応じて使い分け。

地元農家や地域との連携

  • 地元JAや酒米農家と連携した契約栽培米の導入。
  • 児童との田植え・稲刈り体験など、地域教育への協力も行う。

地元との連携・イベント事例

  • 金陵酒蔵まつり(例年10月開催):試飲、蔵見学、琴平名物とのフードペアリングが楽しめる。
  • 琴平ナイトペアリングイベント:地元レストランとのコラボで夜の金刀比羅宮周辺を彩るペアリング企画(春と秋に実施)
  • 香川SAKEナイト:高松市内のバーと共催、日本酒カクテルの紹介や地元チーズとのマリアージュを提案。

酒蔵の風景と訪問情報

  • 見学:要予約で酒蔵見学可。金陵歴史博物館(常設展示)あり。
  • 直売所:併設されており、限定酒やグッズも販売。
  • 建物の魅力:歴史的町並みに溶け込む趣ある木造蔵。博物館から見える庭園も美しい。
  • アクセス情報
    • 住所:香川県仲多度郡琴平町623
    • 最寄駅:JR琴平駅より徒歩10分、琴電琴平駅から徒歩7分
    • 高松空港から車で約40分
    • 金刀比羅宮参道から徒歩5分

まとめ

金陵は、讃岐の文化と酒造りの伝統を守りながら、現代の嗜好に寄り添う多彩な日本酒を展開する老舗蔵。歴史や建築、観光資源としての魅力も高く、香川を訪れるなら一度は足を運ぶべき蔵のひとつです。特に高価格帯の試飲セット(1,500円)は、香り・味わい共にクオリティが高く、金陵の本質を体験できる内容。今後は海外市場や地元ペアリングのさらなる拡張が期待されます。